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更新日時:2020/01/21 17:00 (集計:2020/02/08)
2020年度センター試験:化学 分析
難易度は例年並み。新テストを意識した出題が見られた。
計算問題やグラフの解釈等の問題はやや難しかったが,全般的には難易度は例年並みであった。マーク数は全体で3つ増えた。また,選択問題の得点が一点減少し,共通問題の得点が一点増加していた。第2問の問3では新テストの施行調査で出題された対数目盛のグラフの出題が見られた。
(2014年以前の平均点、設問数の数値は化学Iの値となります。)
年度 |
2020 |
2019 |
2018 |
2017 |
2016 |
2015 |
2014 |
2013 |
平均点 |
54.79 |
54.67 |
60.57 |
51.94 |
54.5 |
62.5 |
69.4 |
63.7 |
前年比(点) |
0.12 |
-5.9 |
8.63 |
-2.56 |
-8.0 |
-6.9 |
5.7 |
-1.5 |
|
設問数
(マーク数) |
第1問 |
6(6) |
6(7) |
6(6) |
6(8) |
6(6) |
6(6) |
6(7) |
6(7) |
第2問 |
5(7) |
5(6) |
5(6) |
6(7) |
6(6) |
5(6) |
6(7) |
7(7) |
第3問 |
5(8) |
5(6) |
5(6) |
6(7) |
6(8) |
6(7) |
7(7) |
7(9) |
第4問 |
5(6) |
5(6) |
5(6) |
5(9) |
5(5) |
6(7) |
7(7) |
7(10) |
第5問 |
2(3) |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
3(3) |
- |
- |
第6問 |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
2(3) |
3(3) |
- |
- |
第7問 |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
2(2) |
- |
- |
- |
合計 |
27(34) |
27(31) |
27(30) |
29(37) |
29(32) |
26(29) |
26(28) |
27(33) |
|
以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。
(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
24 |
物質の状態と平衡 |
普通 |
15.43 |
64.3% |
問1のハロゲン及び問2の状態変化に関する知識に関する問題の出来は良かったものと考えられる。問3の混合気体の分子量問4の水銀柱の問題は類題経験があるか否かで出来が決まったものと考えられる。問5の浸透圧の問題はその設定を読み取れるか否かで出来は変わったものと思われる。出来は良くなかっただろう。問6のコロイドに関する問題は基本問題である。
予想通り,40%j弱と, 問5の正答率が低かった。この問題に関しては試験時間を考えるとやむを得ないと言えなくもない。これに対し,問6のコロイドの問題の正答率が60%弱と低調であったのは想定外であった。知識問題は,きちんとした知識が必要であるということであろう。
第2問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
24 |
物質の変化と平衡 |
普通 |
14.55 |
60.6% |
問1はaとbが連動しており,aを間違えればbは当然間違える。aができていた受験生はbも正解していたように感じられる。問2は過去に類題があったので,取り組みやすかったのではないか。問3は目新しいグラフであり,慣れていないと解きにくかっただろう。問5は有名な問題である。問6の指示薬の変色域の問題はセンターでは初出題である。類題経験がものをいう問題であった。
全体的に低調な出来であった。問1の連問は,aが正解できていればbも正解していたようである。問3の対数目盛の問題は68%と比較的善戦していた。見慣れない問題であった問5の正答率は50%弱と,やはり取りにくいようであった。
第3問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
23 |
無機物質 |
普通 |
14.79 |
64.3% |
問1はドライヤーが熱を発することから,電気抵抗が大きいということを思いつけたかどうかがポイントであった。問2bの酸化物の性質,問3の金属イオンの分離,問4のカルシウム化合物の性質に関する知識問題は比較的よくできていた。問5のニッケル-水素電池については酸化数変化に注目すればそれほど難しくはないと思われるが,見慣れない題材である分,とっつきにくかったようである。また,電気量の単位が見慣れないものであることも拍車をかけたのではないか。
第2問に比べ,よくできていた。しかしながら,やはり問5の電気量に絡む問題の正答率は低く,40%強であった。
第4問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
19 |
有機化合物 |
やや易 |
13.62 |
71.7% |
問1の知識は標準的な問題である。問2の計算問題も標準的な問題であり,落ち着いて取り組めたかどうかがポイントであった。問3は酸の強さに関する問題であり,ベンジルアルコールがアルコールなので中性であることがわかっていれば基本問題といえよう。問4は鏡像異性体を分子式から推定する問題であり,目新しい出題であった。問5のエステル化に関する実験問題は,放射性同位体の利用の有名な一場面であるが,センター試験としては目新しい話であり,その話を知らないと結構難しい問題であったといえる。
この分野も正答率は高めであった。ただし,問3の酸性度に関する知識の正答率の低さが気になった。ベンジルアルコールはアルコールであるから、ほぼ中性と気づいたかどうかの問題である。また,問5の放射性同位体の利用に関する問題の正答率は低めであった。
第5問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
6 |
高分子化合物 |
やや易 |
4.58 |
76.3% |
共通問題であり,合成高分子からはナイロン66や合成ゴムに関する知識が,また,天然高分子からはアミノ酸に関する知識の出題であった。アミノ酸に関する問題は等電点とpHの関係から,水溶液中のアミノ酸の電荷状態を推定する問題であり,教科書には記載があるが,その内容をきちんと理解している必要があり,類題経験がものをいう問題であったといえる。
正答率は高めであった。問2のアミノ酸の水溶液中での電離に関する問題は,思考力が必要な問題であったが,正答率は70%強と,比較的よくできていた。
第6問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
4 |
合成高分子化合物 |
普通 |
2.00 |
50.0% |
選択問題として,合成高分子に関する問題が出題された。問1は合成高分子に関する基本から標準的な知識があるかがポイントである。解答は選択肢5を除いてばらついたようであり,この分野の学習進度によるものと考えられる。問2の計算問題は平均分子量と元素分析のデータの解釈が要求され,思考力が要求される問題であった。
いずれも正答率は5割を割り,今年はこちら側を選択したほうが難しかったのではないかと考える。
第7問 配点 |
出題内容・テーマ |
難易 |
平均点 |
得点率 |
計 |
4 |
天然高分子化合物 |
普通 |
2.76 |
69.0% |
選択問題として,天然高分子に関する問題が出題された。問1はたんぱく質に関する知識問題であり,「らせん構造」と「シート」という言葉の矛盾に気づけば解答は容易である。問2はデキストリンの加水分解に関する計算問題であり,生じたマルトースの物質量が計算できれば,あとは問題文のヒント通りに計算すればよく,解きやすかった問題であろう。
問1の正答率が非常に高かった,申し込んだ受験生の質が高かった点もあるだろうが,知識問題としては容易であったのではないか。問2の計算問題の正答率は第6問の計算問題と差はなかった。
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