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更新日時:2017/01/16 18:20  (集計:---)

2017年度センター試験:世界史B 分析

ロシア・アフリカ・中南米など,地域的な広がりがみられた。

問題形式・問題数は例年どおり,大問4題で設問数は36。昨年同様グラフを利用した設問が1題出題され,地図問題が2題から4題へと増加した。戦後史を含めて近現代史がやや増加し,近世史が減少,ロシア・東欧,アフリカ・中南米など地域的に広がりがみられ,昨年比較的多かった文化史は減少した。
 
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   67.3 65.6 68.4 62.4 60.9 61.5
前年比(点)   1.7 -2.8 6.0 1.5 -0.5 1.9
 
設問数
(マーク数)
第1問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9)
第2問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9)
第3問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9)
第4問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9)
合計 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 8        
C 8        
25 世界史上のマイノリティ(少数派)      
テーマは世界史上のマイノリティ。モノモタパ王国(問2)・アチェ王国(問5)・チョーラ朝(問6)などの王国・王朝は,その位置,周辺国との関係など,関連事項について把握しきれていない受験生も多かったかもしれない。課題文Cの設問では,ラトヴィア(バルト三国)併合,第2次5カ年計画,チェチェン紛争など,現代のロシア・ソ連の事項について時代の特定が求められている。各々の出来事が起こったおよその時期,関連事項との前後関係・因果関係などを整理しておく必要がある。

正答率が低かったのは,問1と問9。問1は,アルビジョワ派がカタリ派の別称であることを知らなかった受験生が多かったと思われる。南フランスのアルビを中心に普及したことから,この名称がうまれた。問9は,ペレストロイカ以前の(3)を選択して誤答となった解答が多い。ロシア・東欧など旧社会主義圏では,社会主義体制崩壊後に各地で激しい民族紛争が勃発する。チェチェン紛争はその典型的事例といえる。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 8        
B 8        
C 9        
25 世界史上の革命や政治体制の変化      
テーマは革命と政治体制の変化。必然的に,憲法・議会・政治体制など,各時代・各地域の政治史に関する設問が多い。全般的に平易な内容で,確実に得点したい。地図問題もごく基本のレベルと言える。強いていえば,汪兆銘(問8)・李登輝(問9)あたりで得点に差が出るかもしれない。台湾を含めて,現代中国史は複雑で理解しにくい分野。経緯を整理したうえで,人名・事項についての知識も確実にしておきたい。

予想通り正答率が低かったのは問8・問9。特に問9が低く,(2)を選択した誤答が正答数を上回った。1960年代にクーデタで権力を掌握した朴正煕は,民主化運動を最も厳しく弾圧した大統領。79年に暗殺されるまで,独裁体制を維持した。問8汪兆銘は国民党左派の中心人物であったが,日中戦争が始まると親日政権の首班となる。問3も正答率は低い。フランスでは,国王ルイ・フィリップが亡命して第二共和政が始まる。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 8        
C 8        
25 国家が諸地域を統合するために採用した制度      
テーマは地域統合のための制度。イクター制・ティマール制(各問1)・プロノイア制(問9)など,イスラーム諸王朝やビザンツ帝国の土地支配制度は,各々の特徴・共通点・相違点などを確認しておく必要がある。問2で治安維持法が問われているが,中学でも学習する基本事項であり,他の選択肢が明らかな誤文なので,問題なく解答できるはず。アムンゼンは迷ったかもしれない。自然科学に関連する人名・事項も,整理しておきたい。

正答率が低かったのは問3。やはり南極と北極で迷ったとみられる。半数近くが北極を選択している。北極点に最初に到達したのはアメリカのピアリ。その他の設問は総じて正答率は高いが,やや低かったのは問1・問9。問1誤答の中では(1)を選択したものが多い。コロナ−トゥスは帝政後期に普及した土地経営形態。問9プロノイア制は,ビザンツ帝国後期に広がった土地制度。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 8        
C 8        
25 世界史における自然環境・資源と人間との関わり      
資源・環境と人間との関わりがテーマであるため,ここでも自然科学に関する文化史が出題されている(問4・問9)。問われているのは基本事項であるが,不得意とする受験生も多いかもしれない。東南アジアの地図(問5)・現代史の6択整序(問7)などとともに,基礎力の差が得点に表れるところであろう。問1・問2で中南米が問われているが,問1の地図を含めて設問は平易である。

4題の大問の中では正答率が最も高い。唯一低いのが問9。文化史はまだ知識が不完全という受験生が多かったようである。メンデルは「遺伝の法則」の発見者。ゲーテの代表作には他に『若きヴェルテルの悩み』などがある。その他やや正答率が低いのは問5。マタラム王国は16世紀ジャワに成立したイスラーム王朝。18世紀半ば,オランダの侵攻で滅亡する。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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