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更新日時:2017/01/18 11:45  (集計:---)

2017年度センター試験:地学 分析

見慣れない図やグラフが多いが,基本問題も多く,やや易化した。

昨年同様,地球物理,岩石,地質,気象・海洋,天文の5分野にわたって出題された。マーク数も30,大問数も6で第5問と第6問が選択であるのも昨年と変わらない。図やグラフを多用しており,見慣れない図やグラフもあるため,解きにくかったかもしれないが,基本的な問題も多く,計算問題が少ないのでやや易化した。
(2014年以前の平均点、設問数の数値は地学Iの値となります。)
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   38.6 40.9 50.2 68.7 69.5 64.3
前年比(点)   -2.3 -9.3 -18.5 -0.8 5.2 -2.5
 
設問数
(マーク数)
第1問 7(7) 8(8) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第2問 6(6) 5(5) 3(3) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第3問 5(5) 8(8) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(7)
第4問 8(8) 5(5) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第5問 4(4) 4(4) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第6問 4(4) 4(4) 3(3) - - - -
第7問 - - 3(3) - - - -
合計 34(34) 34(34) 33(33) 30(30) 30(30) 30(30) 30(31)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ
A 8  
B 6  
C 10  
24  
地球物理分野の問題である。Aはプレート運動と断層について考えさせる問題で,グラフの読み取りをともなうが,比較的考えやすく標準的な問題である。Bは重力と地球の内部構造の推定についての問題で,問3は重力の性質がわかっていないと解けず,問4もシャドウゾーンとそれができる原因を理解していないとできないやや難しい問題。Cは地球内部の熱源に関する問題で,見たことがないグラフからの読み取りを伴う難しい問題。

Aの問2については,海嶺の軸がずれているのを右横ずれ断層だと勘違いした者が多かったようだ。実際はトランスフォーム断層になっていて,運動方向を考えれば左横ずれになっているわけだ。Bの問4は考えたことがないと答えようがないかもしれない。正答率が低かった。

第2問 配点 出題内容・テーマ
A 10  
B 4  
C 6  
20  
地質・地史分野と岩石分野の問題である。Aは石炭紀に発達した大型シダ類による光合成で酸素濃度が増加したことについての問題。あまり見慣れないグラフを扱っているのでとまどうかもしれないが,森林が発達したと書いてあることから考えればできるだろう。クックソニアの図は難しかったかもしれない。Bは地質図の問題であるが,地質図を読み取るのではなく,自分で地層境界線を描けるようになっていないとできない問題で難しい。Cは火成岩とマグマの問題である。マグマの混合はあまり考えたことがないかもしれない。

Aの問2の化石を図から選ぶ問題の正答率が低かった。クックソニアの図を見たことがないと,選びにくいかもしれない。化石の図や写真は図表などの資料で確認しておいた方がいいだろう。一方,Cの問6は正答率が高かった。火成岩中のケイ酸塩鉱物についての基本的な問題であったためだろう。

第3問 配点 出題内容・テーマ
A 10  
B 7  
17  
気象海洋分野の問題である。Aで出題された図はあまり見ない図なので,問2は図だけから考えるのは難しい。夏の太平洋高気圧,冬のシベリア高気圧から考えればできるだろう。Bで出題された図もあまり細かくは見たことがない図であり,問5のようには考えたこともないだろう。圧力傾度力の意味を理解していないと難しい。以上,気象海洋分野は図を見て考えさせる問題が出題された。

Aの海面気圧の図が見たことがないような図だったためか,問1,問2の正答率が低かった。問3の上空の気圧の計算は独立した問題だったため,それほど図の影響は受けていないようだった。Bも見たことがないような図をもとにした問題であるため,正答率が低かった。特に問5の計算はほぼできていないようだった。

第4問 配点 出題内容・テーマ
A 14  
B 13  
27  
天文分野の問題である。Aは太陽とその活動についての問題。問1の太陽の活動周期や磁気嵐,問2の黒点の性質,問3のオーロラの性質はいずれも基本的な問題。問4のフレアのX線強度はしたことがない計算問題で,かつ文字を使用するため,難しく感じるだろうが,太陽放射の全エネルギーを求めるのと同じ考え方でできる。Bは銀河系や銀河についての問題。問5の球状星団の分布,ハッブル分類,問6のダークマターや銀河中心ブラックホール,問6の球状星団の性質,問7の銀河の性質はいずれも基本的な問題である。

Aは問4が難しかったようだ。やはり数式の選択だったためで,計算のしかたがわかってないということだろう。Bは問7,問8の正答率が低かった。教科書レベルの問題なのではあるが,天文分野の最後までは学習できていないということかもしれない。

第5問 配点 出題内容・テーマ
A 9  
B 3  
12  
地球物理分野の問題である。Aはリソスフェアの問題で,問1はアイソスタシーの計算問題。よくある地殻とマントルではなく,リソスフェアとアセノスフェアを扱った問題であるため,とまどうかもしれないが基本に忠実に計算すれば解けるだろう。問2は太陽放射と地殻熱流量の大きさの関係をきいており,数値を覚えていればわかるが,考えたことがないと難しい。問3も覚えていればわかるが,覚えていなければ太平洋の広さとプレートの移動速度から計算するしかないため難しい。Bの磁気圏の問題は図を見たことがあればわかるだろう。

Aの問1はアイソスタシーの計算問題であるが,2の誤答が目立った。やはり海洋地殻の厚さである5~10kmという値にひきずられたかもしれない。この問題ではプレートの厚さを求めるのであって,地殻の厚さを求めるわけではない。問2はよくできていた。Bは3の誤答が目立ったので,磁場が太陽に向かってのびているのか,圧縮されているのかが判断できなかったようだ。

第6問 配点 出題内容・テーマ
A 6  
B 6  
12  
気象海洋分野の問題である。Aは気温の鉛直分布について,コンピュータ上のモデル実験を扱うという真新しい内容である。ただし,設問についてはモデル実験とは関係なく,グラフの読み取りと大気の安定度を考えるという比較的オーソドックスな内容であった。Bは海面の波に関する問題である。単純な穴埋めで,基本的な問題である。

この問題は一見「コンピュータのモデル実験」というあまり聞き慣れないものが最初にでてきていて,かつ見たことがないようなグラフが出ているので,あまり選択してもらえなかったようだ。よく問題を見ればそれほど難しくはなく,Bの波の問題は基本的なものではあるが,時間のない中で自信をもって選択するにはいたらなかったようだ。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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