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更新日時:2017/01/17 11:25  (集計:---)

2017年度センター試験:現代社会 分析

基本的事項の出題が増加し,昨年度よりは易化。

大問・小問構成は昨年度と同じ。昨年度多かった設問に対して選択肢の内容が多岐にわたる出題がほとんどなく,受験生にとっては解答しやすい出題だったのではないか。ただ,「政治・経済」分野からの出題がほとんどであったので,「政治・経済」受験者と同等の準備をしておかなかった受験生にはきつかったかもしれない。
 
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   54.5 59.0 58.3 60.5 52.1 61.8
前年比(点)   -4.5 0.7 -2.2 8.4 -9.7 3.0
 
設問数
(マーク数)
第1問 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8)
第2問 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5)
第3問 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8)
第4問 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5)
第5問 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5)
第6問 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5)
合計 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
22        
(1)食糧問題(2)エネルギー・資源問題(3)日本の地方自治体(4)現在の日本の行政(5)社会貢献活動(6)課題学習の方法(7)個人と社会の関わりに関する思想(8)本文の趣旨把握。以上8問の出題。いずれも基本的な問題で易しい。(1)のローマ宣言,(2)の小型家電リサイクル法,少し細かな問題や時事問題も出題されているが,他の選択肢からいずれも正解に達することができるだろう。(6)も過去に出題されており,(7)の思想家に関する問題も基本的問題である。

問6の正答率は極めて高い。課題学習の方法に関する出題は,過去に出題された問題の「焼き直し」にならざるを得ないので,過去問をきちんとやって,取りこぼしのないようにしなければならないと思う。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
14        
(1)イギリスとアメリカの政治制度(2)国家や政治のあり方に関する思想(3)統治の原則(4)日本の刑事司法(5)日本の議会制民主主義。以上5問の出題。いずれも基本的な問題で易しい。(1)は,アメリカ大統領選挙が行われた年でもあり,出題を予想した受験生も多かったのではないか。(2)のプラトンとアリストテレスの思想は,「倫理」を学習した受験生はともかく,「現代社会」の学習者としては難しかったかも知れない。

問2の正答率がかなり低い。倫理選択と違い,現代社会選択受験生に,プラトンとアリストテレスの思想を選択肢の内容まで理解することを求めるのは,無理があると思う。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
22        
(1)企業に関する問題(2)日本の株式会社制度(3)1990年代の日本の金融機関(4)日本の社会保障制度(5)日本の景気動向と経済情勢(6)図表の読み取り(7)近年の日本と世界の経済情勢(8)「ヤマアラシのジレンマ」と葛藤の類型。いずれも基本的な問題である。(6)図表の読み取りは,前提知識を必要としない問題である。(8)は「ヤマアラシのジレンマ」を例として葛藤の類型を考えさせる問題であるが,出題の意図を理解できたかどうかで差がついたと思う。

問4の正答率が低い。基礎年金制度の導入趣旨は難しかったかも知れないが,消去法から正解に達しうる問題だと思う。(4)を選択した受験生が少なくないようだが,労災保険が抜けていることに気づいて欲しかった。選択肢文を丁寧に吟味する力があるかどうかで差が出たと思う。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
14        
(1)明治日本の産業革命遺産(2)国会(3)環境保護・保全のための手法(4)住民自治(5)環境の保護や保全に関する法制度。以上5問の出題。(1)を除いて基本的な問題。(1)は2015年に世界遺産登録された「明治日本の産業革命遺産」と2014年に世界遺産登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」の違いを問う問題で,受験生には難しかったと思われる。(3)は出題意図を読解できるかどうかが問われる問題。

やはり問1の正答率が極めて低い。(3)を選択した受験生がかなりいる。2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」構成資産として適当でないものとして,2014年に世界遺産登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」を選択させる出題そのものに無理があると思う。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
14        
(1)国際機関の説明(2)開発途上国の貧困問題(3)国際的な人権保障(4)図表の読み取り(5)グローバルな問題についての取り組み。以上5問の出題。(4)図表の読み取りは,前提知識を必要としない問題であり,取りこぼしをしないことが大切。その他の小問も基本的な用語を正確に理解しておれば容易に解答できる問題であったと思う。

問2の正答率が低い。出題意図は,国連ミレニアム開発目標を知っているかどうかを問うことにあると思われるので,人間開発指数などの用語に惑わされることなく,正解に達して欲しかった。問3の正答率もあまり高くない。子どもの権利条約の意見表明権は,過去にも何度も出題されているので,正解してほしい。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
14        
(1)資本主義経済に関わる思想(2)1990年代以降の日本の労働環境(3)市場における競争や企業に関する問題(4)景気循環の局面と経済政策(5)所得の格差や再分配に関する問題。以上5問の出題。(2)の「労働裁量制」に関する選択肢文,(3)の選択肢文中の「価格支配力」,(5)の選択肢文中の「ジニ係数」など,正確な理解をしていないと間違うかもしれないが,問題自体としては基本的事項に関する出題であった。

問3の正答率が低い。(4)を選択した受験生がかなりいるが,デリバティブの意味は難しくとも,選択肢の文章がアウトソーシングのことであるとわかってほしかった。正解の(1)にある「企業の価格支配力」の意味は難しいかも知れないが,消去法で正解に達して欲しい問題である。問5の正答率も低い。ジニ係数や税負担の垂直的公平などの用語をきちんと理解する学習ができていたかどうかで差がついたと思う。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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