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更新日時:2017/01/17 11:35  (集計:---)

2017年度センター試験:物理 分析

問題数は2題増えたが,計算量は減少し,昨年度よりやや易化。

小問集合の配点が1点増加し,第1問が25点になる。熱が必答問題となり,選択問題は熱・原子の組み合わせから波・原子の組み合わせに変更された。各問の計算量は昨年に比べてやや減少し,時間的にゆとりもある。目新しい問題が少なくなり,典型的な問題が増えた。ただし,思考力を問う問題も出題されている。
(2014年以前の平均点、設問数の数値は物理Iの値となります。)
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   61.7 64.3 61.6 62.7 68.0 64.1
前年比(点)   -2.6 2.7 -1.1 -5.3 3.9 10.1
 
設問数
(マーク数)
第1問 5(5) 5(5) 5(5) 6(6) 6(6) 6(6) 6(7)
第2問 4(5) 4(5) 4(4) 5(5) 4(5) 4(4) 4(5)
第3問 5(5) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 5(5)
第4問 5(5) 4(4) 4(4) 7(7) 8(8) 7(8) 6(7)
第5問 3(3) 3(3) 3(3) - - - -
第6問 3(3) 3(3) 3(3) - - - -
合計 25(26) 23(24) 21(21) 22(22) 22(23) 21(22) 21(24)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
25        
例年と同じく小問集合である。各単元から万遍なく出題。具体的内容は運動量保存則,力のモーメント,電気力線の様子,凸レンズによる像,音の速さと温度の関係・屈折である。問2の力のモーメントの問題では棒が軽く,また棒と壁,床とのなす角が与えられいないのが目新しい。問4の物体をレンズから遠ざけたときの像の位置に関する問題が定性的に考えれるかがポイントである。問5は過去に何度も出題されているテーマである。

問1,問3は基本問題。問3はうでの長さに気がついた場合は容易に計算できる。正答率は問1,問2より低い。問4のイ,物体が無限遠に行くと平行光線となるので像は焦点に近づく。正答率は予想より高かった。問5.この現象は教科書にも記載され,同じ問題が過去に何度か出題されているが,正答率は他の問の中で低かった。言葉のみで図がなかったので誤解が生じたのだろうか。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 12        
B 8        
20        
Aは電気からの出題。極板間に導体を挿入する問題は過去にも出題されている。キーポイントは電池が接続されいるか,いないかである。また,電位と電場の違いにも注意が必要である。コンデンサーに導体が挿入された場合は,極板間隔が狭くなったとみなせ,電気容量が増加する。Bは磁気からの出題。コイルに生じる誘導起電力がテーマであるが,自己誘導は考えない。磁束密度の値が負から正へと変化していく場合の誘導起電力を上手く求めれるかがポイントである。また,問4でのダイオードはフィルターとしてのはたらきしかない。

問1の図1(b)のグラフは正答率は低かった。電池が接続されていないときの図(2)を選択している人がいた。また,電場が導体内で0となるので,電位まで0とした(4)を選んでしまった人もわずかながらいた。差がつく問題である。問2も電池が接続されていない場合の解答の(3)を選んでしまった人が同程度いた。問4.つい公式の(2)を選択した人が少なからずいた。時間Tの間の変化量は2B_0となっていることに注意が必要であった。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 8        
B 12        
20        
Aは波動からの出題。干渉により生じる明暗の縞模様の間隔をいきなり問われているが,干渉条件を立式すれば導くことができる。また,透過光と反射光で明暗が入れ替わる問題は,過去にニュートンリングで出題されている。また,液体中では波長が1/n倍となることに気が付けば,すきまを液体で満たしたときの明線の間隔が容易に求まる。Bは熱力学からの出題。内部エネルギー,ボイルシャルルの法則,熱力学の第1法則に関する典型的な問題である。定圧圧縮時に放出する熱量は,モル比熱の値を知っていれば容易に求めることができる。

問1.経路差を考えるとき往復していることを忘れた(4)を選択した人がいた。問2.位相のずれる反射が2回になることと,媒質内での波長が1/n倍になる事の2つが理解できていないと正答できない。難易度は高いので正答率は低かった。問3,問4は基本問題であり正答率は高い。熱力学第1法則を問う問5は意外と正答率は低かった。C→Aは内部エネルギーは減少し,外から仕事をされる。足し算と引き算を間違った回答が目立った。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 12        
B 8        
20        
Aは円錐曲面場を運動する小物体の問題で複雑そうに見えるが,問1は最大傾斜の方へ滑るので,1次元の等加速度運動の問題である。問2は向心方向の運動方程式と鉛直方向のつり合いの式が立式できるかがポイントである。運動を考える方向に注意が必要である。問3は力学的エネルギー保存の法則をテーマーにした問題であることに気が付けば容易に解けるであろう。θは斜面の傾斜角でないことに注意が必要である。Bの問4は定滑車の典型問題である。問5は慣性力に関する問題である。

問1で傾斜角をθとし(8)を選んだ回答が少々あった。問2でも角度を取り違えてしまった回答が多く,問1より正答率は低くなった。丁寧に側面図を考えたであろうか。問3.初速を忘れた回答や,l_1やl_2を高さと誤解した回答があった。力学は丁寧な図を描けるかがポイントである。問4.基本問題。うっかり,重力を足して2で割る(2)を選んだ回答があった。問5.慣性力はaと逆向きである。他の分野に比べミスが目立った。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
15        
選択問題である。テーマはドップラー効果であり,過去何度も出題されている。今回は波長を求めさせる問題が2つもあり,振動数の公式だけを覚えていては駄目である。観測者が移動するときと音源が移動するときの違いを理解できているかを問う問題となっている。問3は難易度が少しあがり,ドップラー効果を利用した移動物体の速度を求める問題である。スピードガンなどに応用されている。反射板に届く振動数を求めたのち,反射板を音源とみなして観測者に届く振動数を求めればよい。

問1.意外と波長の計算ができていない。ドップラーの公式から振動数を出し,その値を用いて波長を求め間違ったと思える(9)を選択している回答が多かった。意味を考えずに公式を使うのは危険である。また,観測者が移動していることに注意しないといけない。そのときは波長は変化しない。問2は音源が移動する基本問題なのでよくできていた。問3は計算が少し煩わしいので,正答率は少し落ちた。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
15        
選択問題である。原子物理からの出題である。問1はシーベルトの単位が問われている。正誤問題なので消去法で正解を探すこともできる。今後は,Bq(ベクレル)などの単位も注意が必要である。問2は原子核の結合エネルギー,問3は原子核反応についての出題である。今回は反応式とエネルギーの放出か吸収かを問う問題であった。今までは原子からの出題が多く,原子核分野からの出題はあまり多くなかったが,今後は万遍なく出題されることになるだろう。

問1.シーベルトという単位はニュースなどでもよく登場するのでもう少し正答率が高いと思ったが,入試問題としては珍しいので正答率は低かった。ベータ崩壊では質量数が保存である。うっかりミスに注意。問2.原子核の質量がMと書かれているのにAMと誤解した(2)を選んだ回答が少なからずあった。問3.反応式は大半の人が正解しているたが,放出するか吸収するかは,あまりなじみのない問題なので悩んだ人が多かったようだ。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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