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更新日時:2017/01/16 16:20  (集計:---)

2017年度センター試験:倫理 分析

知識内容に多少の新規性はあるものの全体的には昨年度より易化。

内容面では、小此木啓吾などの心理学者・雪舟などの芸術家・フッサールなどの現象学者・クーンの思想などでやや細かい知識が問われたが、全体としては教科書レベル。形式では組合せ問題が二問減少。また本文についての正誤判定の組合せも無くなり、これも易化原因となろう。
 
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   51.8 53.4 60.9 58.8 69.0 69.4
前年比(点)   -1.6 -7.5 2.1 -10.2 -0.4 0.7
 
設問数
(マーク数)
第1問 10(10) 10(10) 10(10) 10(10) 11(11) 3(3) 3(3)
第2問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 8(9)
第3問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 8(9)
第4問 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 9(9) 8(9)
第5問 - - - - - 8(8) 7(7)
合計 37(37) 37(37) 37(37) 37(37) 38(38) 38(38) 34(37)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
28        
芸術とテクノロジーをめぐる会話文をもとにした出題。現代の諸課題・青年期・芸術思想などが幅広く問われた。グラフの読解・資料文の読解・本文全体の読解などの出題形式は例年通り。問2の小此木啓吾はやや難。問3は倫理プロパーの学習ではフォローしにくく、これも大方の受験生にはきつかったと思われる。グラフ読解の難度はやや下がった。近年の傾向である、現代社会及び関連思想の重視が今年も見られた出題であった。

問1・2での正答率の低さが目立つ。2は固有名詞が多く、知識量が必要。1は現代社会の課題に関するもの。どうしても後回しになる分野だが、万遍無い学習が求められる。問8も同様である。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24        
貧困及び差別をめぐる本文をもとにした出題。古代ローマ・ギリシャや、キリスト教・イスラーム教・古代インド思想・儒教と、源流思想が万遍なく出題されている。正誤判定や語句選択の組合せ、及び資料文の読解・本文全体の読解といった出題形式も例年の通り。問3の宗教的/政治的ウンマの区別はイスラームに関するかなり詳細な理解を求められるものであり、難。問5のプロティノスもややマイナーな思想家であり、苦しんだ受験生も少なくなかったと思われる。

全体に正答率が高かった中で、問6の低さが目立った。1を選んだ人が多い。選択肢の前半で早のみこみした結果であろう。丹念な検討が必要である。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24        
日本における外来思想・文化の受容と展開をめぐる本文をもとにした出題。神道(仏教伝来以前の思想)・平安及び鎌倉仏教・江戸の思想(儒学・国学)・近現代の思想と幅広く出題されている。正誤選択・語句の組合せや資料文の読解、本文全体の読解など、従来通りの出題形式。ただし資料文は昨年度同様の古文、しかも候文という特殊な文体であったので、読み解きにくい。問8は正答を選ぶこと自体は難しくないが、折口信夫・伊波普猷・九鬼周造といった学習が及びにくい思想家の思想が選択肢に含まれている。

問4は選択が均等に分かれた。ということは朱子学関連の理解が受験生全般に行き届いていないということになる。問7も同じ傾向。近年では思想家の著作名も問われることが多いので注意が必要。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24        
西洋における人間探求と自然探求の関わりをめぐる本文をもとにした出題。モラリスト・デカルト・カント・プラグマティズムなど偏りなく出題された。正誤選択・語句の組合せや資料文の読解、本文全体の読解などの形式は従来通り。問5のロールズやサンデルはまさしく現代の思想家である。西洋現代思想の重視も定着したといえる。問6のクーン、及び問8の現象学者についても問5同様である。

問3では3の選択者が多い。選択肢前半だけで決めてしまったものと思われる。いわゆる“引っかけ”でつまづかないよう、最後まで丁寧に読むことが必要。問7は2と6で分かれた。似た名称の混同によるもの。これは正誤判定のポイントであるから、学習の際に丁寧に分類しておくことが重要である。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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