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更新日時:2017/01/16 16:20  (集計:---)

2017年度センター試験:国語 分析

現代文:評論・小説とも高い読解力が必要。難化が予想される。
古文・漢文:形式・内容面での変化は見られたが、難易度自体は昨年並み。

評論:身近な文化現象を論じる内容ではなく、手ごたえのある科学論。読解には時間がかかる。昨年度の対話形式による本文内容選択は消えた。他は従来通りの出題形式。
小説:作品の一節からの出題という形式に戻った。また傍線部なしで答えさせる設問が出ており、丁寧な読解・照合が要求される。全体に昨年度より難化した。
古文:擬古物語からの出題。昨年度の説話よりは表現はやや難化しているものの、内容自体は常套的な展開。復活した和歌からの出題も難しいレベルではない。
漢文:本試験初の日本漢文からの出題。表現・内容は昨年度並み。形式では文の解釈が消えた代わりに漢字の読みが復活。いずれも大きく難度を左右するものではない。
 
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   129.4 119.2 98.7 101.0 117.9 111.3
前年比(点)   10.2 20.5 -2.3 -16.9 6.6 3.7
 
設問数
(マーク数)
第1問 6(11) 6(11) 6(11) 6(11) 6(11) 6(10) 6(11)
第2問 6(9) 6(8) 6(9) 6(9) 6(9) 6(9) 6(9)
第3問 6(8) 6(8) 6(8) 6(8) 6(8) 6(8) 6(8)
第4問 6(8) 7(8) 7(9) 7(8) 8(9) 7(9) 6(8)
合計 24(36) 25(36) 25(37) 25(36) 26(37) 25(36) 24(36)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
50 現代文(評論) 小林傳司『科学コミュニケーション』      
二年続けて身近な文化現象を取り上げる内容で、表現もそれらしく平易なものだったが、今年度はオーソドックスな評論文、しかも科学と社会との関係を論じる硬質な内容。殊更に難解な文章ではないが、読解には時間がかかっただろう。設問は一問減。問1から6の出題形式は例年通り。昨年度にあった対話形式による本文の趣旨選択がなくなったが、易化の要因としては働かないだろう。

問2は1を選んだ人が多い。傍線部直前に類似の表現があったためだろうか。近年では必ずしも傍線の近くだけに正答の根拠があるとは限らない。問4も正答率が低かった。かなり微妙な表現の検討が必要だったため、難しいものであったと思われる。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
50 現代文(小説) 野上弥生子『秋の一日』      
「秋の一日」の一節からの出題。ここ五年は短編小説全文を出す形式だったが、それが今年度では一節からの切り取りに戻った。野上弥生子は2009年度追試でも一度出されている。近年やや増えている、戦前の作品からの出題となった。特に古めかしい文体というわけではないが、密度の高い文章であり、要領よく読み飛ばすのは難しい。加えて設問の難しさもある。問5では傍線部抜きで、選択肢の内容に該当する本文箇所を探し、丁寧に検討していくことが求められており、正確に選ぶにはかなり時間を要したものと思われる。昨年度より難化。

問1の(イ)は正答率が極端に低い。周囲の文脈だけでは判定しきれないパターンで、難しかった。問5は傍線を付さない内容解釈という形式だが、比較的出来がよかった。問6では内容一致の一つは正解できているが、二つ目は半数近くが間違い。問5で時間を取られたせいかもしれない。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
50 古文 『木草物語』      
江戸時代の擬古物語からの出題。字数は300字程度減。このジャンルからの出題は2012年度以来初となる。擬古文なので表現は一見難解に思える。しかし、主人公(男性)の垣間見→女性との和歌のやり取りという展開は物語としてはありきたりのものであり、筋をおうことは難しくない。語句解釈・文法・内容説明などの出題形式は例年通り。問5で和歌の出題が復活しているが、和歌特有の修辞技法を問うものではなく、他の内容説明と難度は変わらない。問6は登場人物の総括的な説明を選択するもので、本文全体を踏まえないと解けない。

全体に平易だったため、出来にも極端なばらつきはなかったものの、問6のみは過半数が間違えている。傍線部の前後にとどまらず、本文全体との照合・検討が必要だったためだろう。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
50 漢文 新井白石『白石先生遺文』      
江戸の儒者の随筆からの出題。字数は昨年度とほぼ同じ。日本漢文からの出題は追試験では2012年度に見られたが、本試験では初めて。だが日本漢文固有の設問が出るわけではなく平常の漢文学習で対応出来る。表現は随筆らしく平易なものであり、また内容も昔から今の変化により、伝わりにくくなるものがあろうという感懐を述べたものであり、奇抜ではない。語句の意味・内容説明・返り点と書き下しの組合せなどは例年通り。文の意味を解釈させる設問は無くなり、漢字の読みが復活した。いずれも平易な問い方で難易度は昨年並みである。

復活した漢字の読み問題は二つとも正解率がやや低い。漢文特有の副詞等の読みも学習の際には意識しておかねばならない。問2(1)は逆に知識だけでなく、文脈との細かい照合も必要な作りだったため、極端に正答率が下がった。問6も比較的低い。全体の内容を、現代文同様に丁寧に検討する必要がある。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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