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更新日時:2017/01/17 11:00  (集計:---)

2017年度センター試験:地理B 分析

地域調査の大問の配点が増加。図表は増えたが問題はやや易化。

大問6題、設問数35は昨年と同様であったが、第3問(都市・村落と生活文化)の配点が2点減少し、代わりに第6問(地域調査)の配点が増え20点となった。図表・資料の数が昨年よりも増加し、知識に加えて地理的な分析力を試す傾向がより顕著になったが、問題自体は昨年よりはやや平易であったと言えよう。
 
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   60.1 58.6 69.7 61.9 62.2 66.4
前年比(点)   1.5 -11.1 7.8 -0.3 -4.2 1.3
 
設問数
(マーク数)
第1問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第2問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第3問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第4問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第5問 5(5) 5(5) 5(6) 5(6) 5(5) 5(5) 5(5)
第6問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
合計 35(35) 35(35) 35(36) 35(36) 35(35) 35(35) 35(35)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
17 世界の自然環境と自然災害      
自然環境に関する問題。ここ数年、自然災害に関する出題が必ず含まれている。問1の海底の地形断面を問う問題は、問題の箇所が日本近海であったため、日本周辺の海溝について知識があれば平易であった。問2は海流、特に暖流に関して、そして問4は海岸に見られる地形に関しての基礎知識があれば、易しかった。問6の防災マップの読み取りも正解の判別は容易であった。判別に迷う問題が少なく、全体的に易しかった。

問2の海氷に覆われにくい地域を判定する問題は、正答率が半分を少し超える程度だった。気候区分よりも海流の影響を考慮すべきであり、世界の主な海流を覚えておく必要がある。問4の正答率は6割程度だったが、「陸繋島」の意味を正確に知っていれば、文章から正解が判別できただろう。問5の自然災害に関する図表の分析問題は8割以上が正解。発生件数のわりに被害額が極端に少ないのはアフリカであることにまず注目したい。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
17 資源と産業      
資源と産業に関する問題。問1・2は、日本や世界の農業の現状を理解できていれば平易な問題。問3・4はエネルギーに関する問題であったが、「バイオマス」の理解が試された。問5は石炭について、複数の図表からの判別であったが、中国と日本に注目すれば、判定は容易。問6も工業都市に関する基本的な知識が試された問題で平易。全体的に易しい。

問1と問3の誤文選択は平易であったと思われたが、正答率は6割弱であった。問4のように複数の指標を比較・分析する問題では、まずは際立った数値に注目したい。エネルギー輸入依存度が低いのは、資源大国のオーストラリアや、北海油田を擁するイギリスであり、逆に高いのが日本と考えると、答えは明白である。問5は、生産大国であると同時に消費大国でもある中国に注目することで、9割以上の受験生が正答できたようだ。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
15 都市・村落と生活文化      
都市・村落と生活文化に関する問題。設問数が昨年より1問減り、配点が2点下がった。問1は写真からの判定問題で平易。問2も都市や村落の成立に関する基礎知識があれば、正文の判定は容易。問3は図表から、やや考えさせる問題であったが、オーストラリアの国土の特徴や人口分布を考慮すれば、正答できたであろう。問4の東京圏の人口動態の経年変化は、図表の識別が難しかった。問5の老年人口に関する問題は、図表からの誤文判定が容易であった。全体としては標準的な問題であった。

問3の正答率が5割程度とやや低い。オーストラリアの国土の状況を理解していれば、人口の偏在度合いの指標を見るだけでも正答できただろう。問4はカとキの識別が難しかったようだ。正答率は2割台にとどまっており、一番の難問だったようだ。近年ほど、人口減少の市町村が増えていることを想起したい。問5は図と文章を注意深く照らし合わせれば、誤文の判別は容易であった。95%が正答している。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
17 中国      
今年は中国が出題された。問1は地形、問2は気候区分に関する標準的な問題。問3は農作物に関する問題で、判定がやや難。問4は大気汚染に関する統計資料からの問題であったが、文章を注意深く読めば、誤文判定は容易。問5は内陸部の青海省に関する知識が試されており、やや難しかっただろう。第6問の少数民族に関する誤文判定は容易。全体的には標準的な問題であった。

問2が正答率4割弱でやや難問。(2)か(3)で迷ったかもしれないが、Mが内陸に位置していることに留意したい。問3は中国の農業について基本的な学習知識が試されたが、正答率は7割に達していない。問4の誤文判定は、図を見なくても用語の間違いに気づけば、容易であった。問5の正答率は約半分にとどまっている。油田の場所が新疆ウイグル自治区であることを知っておきたい。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
14 スペインとドイツ      
スペインとドイツを比較させる大問。問1では、両国の地形や気候の特徴・違いについての理解が問われた。問2はブドウ栽培の北限を問う基本問題。問3は両国の都市の特徴や日本企業の進出状況を問う問題で判定が難しい。問4はEU内での貿易関係を考えさせる問題だが、各国の経済規模を想起する必要があっただろう。問5の移民に関する誤文の判定は容易。全体として標準的な問題であった。

問1がやや判定に時間を要したであろうか。正答率3割程度で難問であった。気候については、スペインはほぼ全土が地中海性気候であり、降水量がドイツよりも少ないことに留意したい。問3も難しく、正答率3割弱。ドイツのほうが、スペインよりも多くの都市が発達していることや、特に旧西ドイツの地域でその発達が著しいことなどに留意したい。一方で、この大問も誤文判定の問5は易しく、8割以上の受験生が正解できている。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
20 地域調査(長崎県壱岐市)      
長崎県壱岐市を題材にした地域調査の問題。昨年より設問数が一つ増え、配点も高くなった。第1問は地勢図、第2問は地形図を読み取る標準的な問題。問3は景観に関する写真判定問題で平易。問4はこの地域の気候の特徴がわかっていれば簡単。問5の会話文空欄補充は、昨年よりも会話文が短くなり、時間をかけずに容易に正答できただろう。問6の図と指標の正しい組み合わせは、やや時間を要するものの、それほど難しくない。問7の誤文判定は容易。全体として平易であった。

問1から問3は読図の問題で、落ち着いて解けば正答できたであろう。特に問1は9割以上の受験生が正解しており、最も易しかった問題といえよう。問6が正答率6割台で、この大問の中で最も難しかったようだ。過疎地域では医師の数が都市部よりも足りていない点に留意したい。問7の誤文判定も容易で8割以上の受験生が正解。取れる問題は確実に得点できたようである。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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