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更新日時:2017/01/18 11:40  (集計:---)

2017年度センター試験:英語(筆記) 分析

昨年度並みの難易度。行間を読み取る必要がある設問が増加。物語文全体のテーマを問う設問が新傾向。

全体的に、英文に直接は書かれていないことを読み取る必要がある設問が増えた。そのため単なる英語の知識だけでなく、読解能力が問われている。ミクロの視点から読むスキャニング(探し読み)とマクロの視点から読むスキミング(拾い読み)をうまく使い分けられるかがポイント。物語のテーマをつかむためにはスキミングが必要になる。
 
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   112.4 116.2 118.9 119.2 124.2 122.8
前年比(点)   -3.8 -2.7 -0.3 -5.0 1.4 4.7
 
設問数
(マーク数)
第1問 7(7) 7(7) 7(7) 7(7) 7(7) 7(7) 7(7)
第2問 16(19) 16(19) 16(19) 16(19) 16(19) 16(19) 16(19)
第3問 8(8) 8(8) 6(8) 4(8) 4(8) 4(8) 4(8)
第4問 7(7) 7(7) 7(7) 6(7) 6(6) 6(6) 6(6)
第5問 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5) 5(5)
第6問 6(9) 6(9) 6(9) 6(9) 6(10) 6(9) 6(6)
合計 47(55) 47(55) 47(55) 44(55) 44(55) 44(54) 44(51)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 6        
B 8        
14 発音(アクセント・強勢)      
Aでは、綴り字と発音の関係について学習すれば必ず出てくるものが出題された。ここではearの発音は「イア」か「エア」か、chは「チ」か「ク」か、ssは「ス」が「ズ」かが問われている。問2では、attachをattackと勘違いしてしまう可能性がある。Bには、アクセントをもつ語尾のine、1つ前の母音にアクセントをもつ語尾のicとicalが含まれていた。そして例年通り、「マリン」「シビア」「ユニーク」「サテライト」「アッセンブリー」といったカタカナ語も出題された。A、Bともに、受験生になじみのない語は全く含まれていない。

Bの問4で、(2) democraticを選んだ者が多かったのは、名詞形democracyのアクセントと同じだと類推し、語尾のicとアクセントの関係の知識もなかったためと考えられる。なお、この設問の正解率は50%程度。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 20        
B 12        
C 12        
44 文法・語法、会話表現      
Aでは、語法や熟語に関する設問が減って、文法問題がやや増えた。さらには、前置詞や冠詞の用法についても問われている。Bでは、itの使い方がポイントになっている設問が2つあり、それぞれに第4文型と第5文型が使われている。問3はHow come …?(どうして…か)の後ろに続く形についての知識がなければ正解できない。Cでは、相変わらず、意味の差別化ではなくて、動詞の語法、分詞・仮定法・前置詞の文法知識が問われるものになっている。その意味ではAと出題意図が同じで重複している。

Aの問1は各前置詞の意味合いのイメージができずにinやonを選んだケースが目立った。問2でカタカナ語「ヤング(若者)」に引きずられて(3)を選んだ者が多かった。問6の正解率が意外に高かったのは、空所には接続詞が入らないことがわかるので消去法でも正解できるためであろう。問8の正解率は40%程度で全体の中で最も出来が悪かった。これは、have + O + 過去分詞(Oを~される)のhaveの代わりにgetが使えることを知らなかったためであろう。Bの問3では、How come(どうして…か)という表現の後ろにはWhyなどとは違って、間接疑問文(平叙文と同じ形)が続くことを知らなかった者が半数近くいたと思われる。これも最も正解率が低かった設問の1つ。Cの問2では、相手がクリケットには興味がなくてルールを知らないことが分かるはずなのに、仮定法にしていない者が少なくなかった。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 8        
B 15        
C 18        
41 表現(語句・要約)      
Aでは、いずれも空所の次の発言がポイントになっているが、まぎらわしい選択肢は特にない。Bでは、いずれも下線部の前にある主題文の内容と関連性の薄いものを選ぶことになる。問3は、下線部を含む部分が何を示すための例になっているのかを意識しないと判断に迷うことになる。 Cでは、昨年度までは3人の意見の要約(三者三様)を求めるものであったが、昨年度の本試験・追試験のリスニングの第4問Bの形式に近いものに変更されている。1人の意見、2人の意見の共通点(相違点)、3人の意見の共通点が問われているので、あらかじめ設問内容をチェックしておく必要がある。

A、Bはいずれも正解率が高かった。Cの最後の空所は、全員の発言に共通する内容を選ぶ設問になっているのに、Tomの発言には含まれていない(4)を選んだ者が50%近くいた。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 20        
B 15        
35 読解(グラフ・資料を用いた問題)      
Aでは、設問の内容は昨年度と全く同じ。問4は従来通り、最終段落の内容から十分に判断できるものになっている。第4問Aに関しては、表やグラフの出典が明示されていることはあったが、英文の元になっている出典が初めて明らかにされた。専門的な論文が一般的な読み物に加工処理されている。Bでは、従来は参照すべきデータがいろいろあるものが多かったが、かなり単純なものになっていて、特に注意が必要となるものは含まれていなかった。その点では非常に易化した。

Aの問3では、第1段落第1文が全体の主題文になっていると判断して(1)を選んだ者が20~30%程度いた。問4では、最終段落第2文のalso、最終文のthese relationshipsが指すものに注目しないで、(3)や(4)を選んだ者が目立った。Bは、例年とは異なり、錯乱を招く要素がほとんど含まれていなかったため、正解率はどれも高かった。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
30 読解(物語文)      
一昨年度の追試験、昨年度の本試験・追試験に続いて、物語文(Narrative)が出題された。これまでは時系列に従って淡々と事態が進行する形ではなくて、回想シーンが含まれていた。今回も仮想と現実を行き来していることがポイント。センター試験には「教育的配慮」が色濃く出ているので、物語文の内容はハッピーエンディングでハートウォーミングなものになっている。なお、今回のものは昨年度の追試験の「自分探しのハイキング旅行」と似たテーマになっている。設問全体としては、人物の心情やその変化を問うものが多く含まれている。なお、下線部が引かれているが、これは新傾向のものではなくて、従来から第6問によく含まれていた本文からの引用を見つけやすくしたものである。問5の物語文全体のテーマを問うものは新傾向のもので、この設問が含まれていることを、英文を読む前にチェックしておくと取り組みやすい。

問1では、第3段落のI was so surprisedという記述に注目しないで、この状況から何となく(2)を選んでしまった者がいた。ちなみにembarrassedは「(人目を気にして)当惑して」という意味であることに注意する。問2から問4は、事実関係ではなくて、登場人物の心情を読み取る必要がある設問になっていたが、いずれも正解率は70%を上回っていた。問5では、「夢」に出てきたことだけに注目して(4)を選んでしまった者が少なくなかった。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 30        
B 6        
36 読解(論説)      
従来通りの長文読解問題。これまでは説明文的なものが多かったが、今回は論説文になっている。設問としては、一昨年度まで含まれていた下線部の未知の語または語句の意味を推測する問題が出題された。ただし、この設問は「復活」したのではなくて、昨年度の追試験の第5問、第6問には出題されている。段落ごとのサブタイトルだけではなくて、全体のタイトルや内容についての設問は2014年度から出題され続けている。

Aの問4では、relationships can change(友情関係は変化する可能性がある)という部分の意味を取り違えて(2)を選んだ者が30%程度いた。問5では、正解の(1)の最後にあるlastが「長持ちする」という意味であることが分からず、(3)の「友情の秘訣の強み」を選んだ者が20~30%いたと思われる。この設問の正解率も50%をやや上回る程度であった。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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