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更新日時:2017/01/16 17:50  (集計:---)

2017年度センター試験:化学 分析

マーク数増加。選択問題が残る。難易度は昨年並み。

昨年同様第1~5問は必答問題であり,第6,7問が選択であった。設問数は変化がなかったが,マーク数は昨年度から大幅に増加した。また,第1~3問の配点が増加した分,有機分野の配点が減少していた。昨年に比べ,計算は処理しやすくなったが,解答数が増えた分,時間的配慮が要求された組み合わせとなっていた。
(2014年以前の平均点、設問数の数値は化学Iの値となります。)
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   54.5 62.5 69.4 63.7 65.1 56.6
前年比(点)   -8.0 -6.9 5.7 -1.5 8.6 2.8
 
設問数
(マーク数)
第1問 6(8) 6(6) 6(6) 6(7) 6(7) 6(7) 6(7)
第2問 6(7) 6(6) 5(6) 6(7) 7(7) 6(7) 6(7)
第3問 6(7) 6(8) 6(7) 7(7) 7(9) 7(7) 7(7)
第4問 5(9) 5(5) 6(7) 7(7) 7(10) 7(7) 6(7)
第5問 2(2) 2(2) 3(3) - - - -
第6問 2(2) 2(3) 3(3) - - - -
第7問 2(2) 2(2) - - - - -
合計 29(37) 29(32) 26(29) 26(28) 27(33) 26(28) 25(28)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24        
問1bは化学基礎の内容。問3は温度とエネルギー,温度と気体の圧力の関係を理解しているかが問われ,問4は二酸化炭素の三態図の意味を理解しているかが問われた。いずれもグラフを題材とした考察問題であり,理解力と考察力が要求された問題であった。問5の蒸気圧および問6の凝固点降下の問題も,類題経験がものをいう手の込んだ問題であった。

問4のグラフの読み方が難しかったようで,正答率はいずれも六割程度であった。また,問5の正答率も五割程度であり,類題検討がない受験生は少し取りにくかったようである。単に二倍した選択肢7を選んだ受験生の割合が多かった。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24        
問3の反応速度の問題では,二つのグラフから必要な条件を読み取り,計算する必要がある応用的な問題であった。問4の緩衝液の正誤問題は,近年は姿を消していた正誤判定の組み合わせ問題であった。その他の問題は基本から標準的であった。問6は酸化還元反応の量的関係であり,三年連続の化学基礎の内容からの出題であった。

問1の誤答はN-H結合の結合エネルギーを求めた受験生が多かったようである。また,問3bはまんべんなく回答がばらついており,方針がつかめなかった受験生が多かったようである。問6は選択肢3を選んだ受験生が多かった。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24        
知識問題としては問1の身の回りの物質の性質に関する正誤問題,問2の触媒に関する正誤問題,問3の気体の発生および精製に関する知識問題,問6のイオン化傾向と電池の考察問題があった。これらの問題は無機化合物に関する一問一答式の学習だけでなく,幅広い視点から無機化合物をとらえる学習が必要であった。計算問題としては問4では硫化物沈殿と液性の関係が,問5では酸化還元反応の化学反応式の練習が要求され,こちらも単純な計算処理だけでは解決できない問題となっていた。

全問が正答率五割を超えていた。その中で問4と問6の正答率が悪いほうであった。問4は選択肢8を選んだものが13%いた。これは生成した物質を銅と勘違いしたミスであろう。問6は電流と電子の向きを間違えたと思われる誤答が散見された。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
19        
昨年度に比べ解答数が増加していたが,その大半は問3の反応経路の問題に充てられており,実質的には昨年度と同量程度の出題であったといえる。問2の構造決定ではカルボン酸Bがギ酸であることを見抜ければ,あとは標準的な問題となる。問4の計算問題では,生成した二酸化炭素と水から炭素と水素の原子数比を求め,置換された水素の数を求めるという二段階の処理が要求され,少々難しい。問5のセッケンと合成洗剤に関する問題は,コロイドの知識も要求された。

問3bの正答率が悪かったのが意外であった。選択肢2のフェノールや選択肢4のベンゼンスルホン酸ナトリウムを選ぶのは注意力が低下していたのではないか。また,問5はabともに大惨敗である。aはケン化を選んだものが50%であった。bはまんべんなく誤答がちらばっており,この分野が苦手な学生が多いことをうかがわせた。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
4        
高分子化合物からの出題で,昨年度同様の形式で必答問題である。問1は縮重合に関する知識問題であり,開環重合では脱水が起こらないことを知っているか,単量体の構造式を知っているかしないと悩む問題であった。問2は天然高分子および合成高分子の混合問題であったが,「平均分子量」という言葉の意味を考えれば解答にたどり着けたのではないだろうか。

問1の正答率が低く,問2の正答率が高かった。問1は繰り返し単位がいずれもアミド結合またはエステル結合を有しているため,繰り返し単位の構造式のみの知識では迷ってしまったのではないかと思われる。問2,3にそれなりの誤答者がいることからその点がうかがえる。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
5        
選択問題である。合成高分子からの出題であり,必答問題以外の内容からである。問1の知識問題は単量体と重合体の関係であり,それぞれの物質を知らずとも,構造式を比較すれば容易に解答できた。問2の計算問題は,繰り返し単位の構造式及び式量が与えられており,ここ二年の計算問題に比べ,処理はしやすかったものと思われる。

知識問題及び計算問題のいずれも六割越えの正答率であり,この分野の学習をきちんとこなしていた感じを受ける。計算問題より知識問題のほうが得点率が良い。なお,第7問とどちらを選択したとしても有利不利はなかったと考えられる。

第7問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
5        
選択問題である。天然高分子からの出題であり,必答問題以外の内容からである。問1のジペプチドの電気泳動は,アミノ酸の電気泳動同様に分子内のアミノ基とカルボキシ基の数に注目して考えればよいのだが,試験会場で混乱した受験生もいたのではないか。問2の計算は,二糖のマルトースが完全に分解されたため生成したグルコースが還元性を示し,グルコースと酸化銅(Ⅰ)の反応比が与えられていることから式を立てればよい。

知識問題及び計算問題のいずれも六割越えの正答率であり,この分野の学習をきちんとこなしていた感じを受ける。知識問題より計算問題のほうが得点率が良いのは,知識問題がジペプチドの電気泳動という見慣れない題材であったからであろう。なお,第7問とどちらを選択したとしても有利不利はなかったと考えられる。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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