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更新日時:2017/01/18 14:25(集計:---)

2017年度センター試験:生物 分析

知識問題と思考問題がバランスよく出題。難易度は昨年より易化。

大問数は昨年同じ7で,マーク数は昨年より増えて34~35であった。大問の分野構成は昨年と同じで,各分野から偏りなく出題された。知識問題が6割,思考問題が4割であった。思考問題で時間を要するものもあるが,全体の分量としては適当である。迷いやすい選択肢が少なかったことから,難易度は昨年よりも易化した。
(2014年以前の平均点、設問数の数値は生物Iの値となります。)
年度 2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011
平均点   63.6 55.0 53.3 61.3 64.0 63.4
前年比(点)   8.6 1.7 -8 -2.7 0.6 -6.3
 
設問数
(マーク数)
第1問 5(6) 4(6) 5(5) 7(7) 6(6) 6(7) 6(6)
第2問 5(7) 4(6) 6(6) 5(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第3問 6(6) 6(6) 5(6) 5(5) 5(7) 7(7) 6(7)
第4問 5(6) 5(5) 5(5) 6(7) 6(7) 6(6) 6(6)
第5問 6(6) 4(6) 5(6) 5(7) 5(7) 6(7) 6(7)
第6問 2(3) 3(3) 3(4) - - - -
第7問 3(4) 2(3) 3(3) - - - -
合計 32(38) 28(35)  32(35) 28(32) 28(33) 31(33) 30(32)

以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 9        
18        
生命現象と物質の分野からの出題。Aはタンパク質の構造と機能からの出題。問1はタンパク質の構造と性質に関する知識問題で基本的な問題である。問2は受容体に関する知識問題で標準的な問題である。Bは真核生物の転写調節からの出題。問3は選択的遺伝子発現に関する知識問題で基本的な問題である。問4は転写調節のしくみに関する知識問題で標準的な問題である。問5は転写調節に関する思考問題であるが,問題の設定はわかりやすく基本的な問題である。

問1の正答率は非常に高かった。問2の正答率は普通であった。誤答で多かったのは(1)や(4)で,ペプチドホルモンは細胞膜を通過できないことが定着していないためと思われる。問3の正答率は高かった。誤答で多かったのは(2)で,分化した細胞も受精卵と同じ遺伝子をもつことが定着していなかったのではないか。問4の正答率は普通であった。真核生物の転写調節のしくみが定着していないためである。問5の正答率は非常に高かった。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 9        
18        
生殖と発生の分野からの出題。Aは動物の発生のしくみからの出題。問1は誘導に関する知識問題で標準的な問題である。問2と問3は誘導に関する実験の思考問題であり,問2は基本的な問題で,問3は標準的な問題である。Bは被子植物の配偶子形成と胚乳の遺伝からの出題。問4は被子植物の配偶子形成のしくみに関する知識問題で,アとイは基本的な問題であるが,ウは発展的な問題である。問5は胚乳の遺伝に関する思考問題で,解法を知らないと解くことができない。解く機会も少ないことから発展的な問題である。

問1の正答率は普通で,誤答で多かったのは(1)や(2)であった。問2の正答率は約9割と非常に高かった。問3の正答率は普通で,誤答で多かったのは(3)や(4)であった。問4のうちアとイの正答率も8~9割と非常に高かったが,ウの正答率は約4割と低かった。1つの胚のうの合計の染色体数を答えさせる知識と思考の融合問題で思考部分が欠如したためと思われる。問5の正答率は低かった。胚乳の遺伝子型の求め方が定着していないためである。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 9        
18        
生物の環境応答の分野からの出題。Aは神経系と興奮の伝導と伝達からの出題。問1は神経系に関する知識問題で標準的な問題である。問2は有髄神経繊維での跳躍伝導に関する知識問題で基本的な問題である。問3は興奮の伝達に関する知識問題で基本的な問題である。Bは光発芽種子の実験からの出題。問4は発芽時の生理反応に関する知識問題で標準的な問題である。問5はグラフの解読を伴うフィトクロムに関する知識問題で,標準的な問題である。問6は実験とそのグラフを解読する思考問題で発展的な問題である。

問1の正答率は普通である。誤答で多かったのは(6)で,体性神経という用語が定着していないと思われる。問2,問3の正答率は9割台と非常に高かった。問4の正答率は普通であった。植物ホルモンの知識が不足しているためである。問5の正答率は普通であった。図1の解読問題であるが,知識でも十分に解ける。誤答で目立つものはなかった。問5と問6の正答率は低かった。光によるフィトクロムの可逆的変化を理解していないためである。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 9        
18        
生態と環境の分野からの出題。Aは種間関係の実験からの出題。問1と問2ともに知識不要の実験思考問題で,問1は基本的な問題である。問2はグラフの解読も必要とし,選択肢も1つ1つが長いことから解答するのに時間がかかるが基本的な問題である。Bは撹乱および種間関係からの出題。問3は撹乱に関する知識問題で基本的な問題である。問4は種間競争に関する知識問題で基本的な問題である。問5は中規模撹乱仮説に関する知識問題であるが,知識がなくても思考することで解答可能な基本的な問題である。

問1と問2の正答率は9割台と非常に高かった。思考問題であるが,実験内容が理解しやすく,紛らわしい選択肢もなかったためと思われる。問3と問4の正答率も9割後半と非常に高かった。常識で答えられる問題で、紛らわしい選択肢もなかったためである。問5の正答率は普通であった。誤答で多かったのは(4)で,領域Ⅰで起こっている現象を正しく思考できなかったためである。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
A 9        
B 9        
18        
生物の進化と系統の分野からの出題。Aは動物の系統からの出題。問1は進化の過程は知識問題で標準的な問題である。問2は系統樹を完成させる思考問題で,問題文をきちんと読めば解くことのできる基本的な問題である。問3は生きている化石に関する知識問題で標準的な問題である。Bは集団遺伝からの出題。問4は遺伝子頻度を求める計算問題で標準的な問題である。問5と問6はハーディ・ワインベルグの法則に関する知識問題で,ともに基本的な問題である。

問1の正答率は約3割と非常に低かった。脊椎動物の進化に関する知識が定着していないためである。問2の正答率は普通であった。思考問題であり,問題文と図を解読できなかったためである。問3の正答率は普通であった。誤答で多かったのは(3)で,ソテツが裸子植物であることを知らなかったためである。問4の正答率は低かった。遺伝子頻度の求め方が定着していないためである。問5の正答率は約9割と非常に高く,問6の正答率は約8割と高かった。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
10        
生命現象と物質の分野からの出題。問1はメセルソンとスタールは半保存的複製を証明する際に行った密度勾配遠心法に関する思考問題であるが,実験の設定にアレンジがないので知識問題とみることもでき,基本的な問題である。問2は細胞分画法に関する思考問題で,細胞小器官の機能に関する知識も必要とする。密度勾配遠心法で細胞分画をすること,マイナーな細胞小器官が出てくること,問題や選択肢の文章をていねいに読む必要があることから,標準的な問題である。

問1の正答率は8割台で非常に高かった。誤答で多かったのは(4)で,思考過程で間違えたというよりは,解答の際にミスした可能性の方が高い。問2の正答率は普通であった。誤答で多かったのは(2)や(5)や(6)で,Bをミトコンドリアと間違えたり,(5)~(8)の選択肢が紛らわしかったためである。第6問を選択した人は約20%であった。得点率は第7問に比べて少し低い程度であるが,解答に要する時間が長く負担感が大きい。

第7問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
10        
生物の環境応答の分野と生物の進化と系統の分野からの出題。問1は動物の分類に関する知識問題で標準的な問題である。問2は動物の行動に関する知識問題で基本的な問題である。問3は動物および植物の分類に関する知識問題で,アマモもリード文に「被子植物」と記されているので基本的な問題である。リード文もほとんど読む必要がないため,動物の分類の知識がある人ならば第6問よりも容易に解答することができる。

問1の(a)の正答率は普通であった。誤答で多かったのは(2)や(3)で,アサリは硬い殻をもつことから(1)をはずしたためである。問1の(b)の正答率は8割を超えて高かった。誤答で多かったのは(1)で,クラゲの動きから選んだためである。問2の正答率は9割後半で非常に高かった。問3の正答率は普通であった。(2)や(3)を選択した人は発生の過程の知識が定着していないためである。 第7問を選択した人は約80%であった。

編集・著作:ジェイシー教育研究所
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