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更新日時:2012/02/03 15:00  (集計:2012/02/03 10:00)
2012年度センター試験:倫理 分析
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昨年と同様、選択肢文の長文化により時間配分が決め手となる
大問5題、解答数38であり、昨年と比較すると解答数が1問増加となった。大問構成は青年期の課題・源流思想・日本思想・西洋近代思想・現代社会の諸課題の5題と変化はなかった。昨年に引き続き選択肢文の長文化により、基本的な用語の理解はもちろん、幅広い知識が要求されるだけでなく、読解力・理解力が要求されるものとなった。一方で、時間配分が困難な中、標準的な知識があれば解ける問題も多く、バランスが取れている。

 
年度 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
平均点 69.0 69.4 68.7 71.5 67.6 69.7 68.7 67.0 69.8 60.6 65.5 68.1
前年比(点) -0.4 0.7 -2.9 3.9 -2.1 1.0 1.7 -2.8 9.2 -4.9 -2.6 13.7
設問数
(マーク数)
第1問 3(3) 3(3) 3(3) 3(3) 3(3) 3(3) 3(3) 9(9) 9(9) 8(8) 10(10) 10(10)
第2問 9(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 9(9) 10(10) 10(10) 10(10) 9(9)
第3問 9(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 9(9) 9(9) 8(8) 8(8) 9(9)
第4問 9(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 8(9) 9(9) 9(9) 12(12) 9(9) 10(10)
第5問 8(8) 7(7) 7(7) 7(7) 7(7) 7(7) 6(7) - - - - -
合計 38(38) 34(37) 34(37) 34(37) 34(37) 34(37) 33(37) 36(36) 37(37) 38(38) 37(37) 38(38)


以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
8 青年期の課題、「自我同一性の確立」について やや易 5.76 72.0%
青年期の課題とされる自己理解からの出題である。自我同一性の確立に関連させた研究に関する統計資料の読解問題が出題されており、判断をすることに時間を要したであろう。

    問1に統計資料の読解問題に加え、設問文・選択肢文の長文化のため時間を要する問題である。内容は平易であるため正解を導くのは容易。問3は社会学者や、精神病理学者といった研究者それぞれの研究内容に対する知識が必要とされる問題であり、少し難しかったかもしれない。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24 源流思想、「悪を行う自己との向き合い方」について やや易 18.23 75.9%
「なすべきではないことをしてしまう」から始まり、ソクラテス、ブッダ、イスラーム教、パウロ、の思想など源流思想からの出題である。教科書レベルの標準的な題材であり、基本的な知識があれば十分に対応できる問題となっている。選択肢文の長文化により解答に時間がかかり、「クルアーンの十の戒律」と「モーセの十戒」とを比較する問題は特徴的であった。

    問3・6・8・9は選択肢文の長文化にため時間を要したであろうが、内容的には基本的な事項であるため落ち着いて正解を導いてもらいたい。問2のソクラテスの問答法、問7のイエスの罪についての考え方は迷わずに答えてもらいたい設問である。問8は組み合わせの問題であるが迷った受験生は多かったであろう。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24 日本思想、「日本人の安心のありか」について やや易 16.87 70.3%
日本人の「安心」のありかを題材に、アニミズム、本居宣長、浄土教思想、福沢諭吉、唯物論と古代から近現代に至る日本思想が幅広く出題されている。標準的な知識で解ける問題から幅広い知識が要求される問題と多様であった。本居宣長の『鈴屋答問碌』や中江兆民の『続一年有半』からの一部抜粋問題と、選択肢文の長文化を加え、時間を要する問題となっている。

    問3の本居宣長と問8の中江兆民の資料読解問題はそれぞれの思想内容に対する知識がなくても正解を導き出せる問題である。問5の因果応報、問7の福沢諭吉は教科書レベルの問題であり正解しておきたい問題である。問4は選択肢文の内容が似通っており、阿弥陀仏と『無量寿教』が結びつけられたとしても選択を迷うであろう。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
24 西洋近代思想、「西洋思想における身体」について 普通 14.11 58.8%
自然科学の研究対象となった身体に関する西洋近代思想からの出題である。デカルトの二元論から始まり、ホッブズ、ベルクソン、ハイデッガー、フッサール、カント、ロックといった近代思想家が多数挙げられている。全体的には選択肢文も短く、ロックの『統治二論』からの一部抜粋問題やホッブズに関する細かな知識が要求されてはいるものの標準的なものとなっている。

    問1のデカルトの言葉、問2のカントの認識論は迷わず得点したい問題である。問4はゲーテが正解であるがそれなりの知識がなくても消去法で解くことができよう。問7は現象学の創始者であるフッサールに関する設問であるが、この問題が解けていれば、西洋近代思想分野の十分な対策が取れていたと評する。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
20 現代社会、「人間と動物」について やや易 14.40 72.0%
現代の諸課題と道徳観念からの出題である。動物実験、クローンや遺伝子、そして臓器移植法に至る諸問題を切り口とし、人間の道徳観念や環境破壊などについての会話文の読解問題となっている。選択肢の組み合わせを問う問題、ベンサムの『道徳および立法の諸原理序説』からの一部抜粋問題、そして選択肢の長文化のため時間配分が難しい。

    問2のヒトゲノムや問3の臓器移植法は時事問題である。特に問3の臓器移植法は2010年に全面施行されており、時事対策ができていれば解けるであろう。問4のカントの自律、問5のベンサムの功利主義、問7の田中正造といった思想家の問題は、問4と問7は基本的な知識で解けるが、問5のベンサムの功利主義における快楽に対する設問は、内容の詳細な理解が問われており難しかったかもしれない。

編集・著作:ジェイシー教育研究所


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