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更新日時:2012/02/03 15:00  (集計:2012/02/03 10:00)
2012年度センター試験:日本史B 分析
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難易度は昨年並み。基本的問題が多くを占めるもやや難問も
出題範囲は古代から戦後史と例年通り広範囲に及ぶも、原始時代がほぼ皆無で経済史の出題が大幅に減った。基本的な問題が多くを占めるもやや難解な歴史的用語を含む問題もみられ、苦戦したことが予想される。グラフ・図版・表とセンター試験の定番といわれる問題が昨年以上に多く歴史的洞察力の深さが求められている。

 
年度 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001
平均点 67.9 64.1 61.5 57.9 64.3 67.0 54.7 59.2 56.5 63.9 58.7 55.2
前年比(点) 3.8 2.6 3.6 -6.3 -2.7 12.3 -4.5 2.8 -7.4 5.2 3.5 -6.5
設問数
(マーク数)
第1問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第2問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第3問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第4問 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6) 6(6)
第5問 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8)
第6問 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 8(8) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4) 4(4)
合計 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36) 36(36)


以下の平均点、得点率の数値は赤マル・ドットコム自動採点データに基づいて計算しています。

(「難易」は「得点率」を元にしています。昨年度試験との比較ではありません。)
第1問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
6   普通 4.02 67.0%
6   やや易 4.54 75.7%
12 文化財 やや易 8.56 71.3%
例年通り、会話文形式の問題で、範囲は古代から近代までと広範囲に及び、時代と時代の相違点を強烈に意識させることを意図した問題。出題内容は社会・文化に関する問題が多かっただけに習熟度の違いから大きな得点差が生じたことが予測される。昨年日本では平泉が世界文化遺産に登録されたこともあって文化材保護をテーマとした時事的な問題であったといえる。

    得点率が7割にも迫るまずまずの結果だったといえよう。「時代」と「時代」の相違点も把握でき、長期に及ぶ歴史を広い視野でしっかり考察できていたようだ。なかでも空欄補充形式の問題は圧倒的「強さ」を発揮できていた。しかし、問2の「ラジオ放送」の開始時期や問5の「一里塚」といった盲点というべき歴史的事象の理解が不十分であったようだ。問2は好調であった第1問のなかにあって誤答を選択する受験生が目立った。

第2問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
9   普通 5.64 62.7%
9   やや易 7.23 80.4%
18 古代、政治・社会・文化 やや易 12.88 71.5%
古代の政治・社会・文化からアプローチした総合的な問題。史料や表も駆使されバラエティーに富んだ印象であったが、難易度は決して高くはなく、易しい印象を受ける。しかしながら、第1問と同様に時代と時代をまたがる視点がないと思わぬかたちで失点するケースも考えられる。史料や表を駆使した問題は正確な知識で考察しながら読み取れば確実に得点できる基本問題であった。

    史料問題・表などバラエティーに富んだ問題であったが、しっかり対処できていたようだ。表の読み取り問題も大部分の受験生が難なく正答を選択してした。もっとも苦戦したのは問2であった。正文(3)と誤文(4)にみえる「妻問婚」と「木綿」について、その内容と時代把握についての理解が甘かった。また、問3の「貧窮問答歌」の作者に関する問題は、多くの受験生がセンター特有の混同されやすいリード文に惑わされていたようだ。

第3問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
9   やや易 6.52 72.4%
9   普通 5.49 61.0%
18 中世、政治 普通 12.01 66.7%
中世の政治に関する問題が中心で、なかには外交・文化に関する出題もみられた。個々のリード文も長文はみられず短文で読みやすかっただけに、難問は皆無であったといえよう。いわゆる正答がストレートに導ける問題であったので基本に忠実であれば失点することはなかっただろう。視覚教材も教科書に必ず掲載されている[銀閣]であった。あらためて教科書学習の大切さを再認識させる問題であった。

    設問に「ひねり」が少なくストレートな内容が多かっただけにやや得点率が伸び悩んだ傾向にあったのは意外な結果であった。得点率の高低差が大きかったことから設問による明暗がはっきりと分かれたといえよう。政治や文化史は好調であったが、社会経済史や外交史で伸び悩んだ。時代配列問題は6択のこともあり往々にして受験生の解答が分散する傾向が高いが外交史をテーマとした問4はその傾向がくっきりとあらわれる結果となった。

第4問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
11   普通 7.50 68.1%
6   普通 3.72 62.0%
17 近世、政治・社会 普通 11.22 66.0%
江戸時代の農民・農村に主題をおきつつも、出題内容は近世の身分制や学問思想史に派生し多岐に及んだ印象を受ける。しかも大問6題中、この第4問は難易度がもっとも高くこの箇所で失点した受験生が多かったのではないだろうか。身分と村社会に関する正誤問題や学問思想史に関する正誤問題は難問といえよう。やや難解な歴史的用語も含まれていただけに、基本的な箇所でいかに確実に得点できたかが大きなカギとなる。

    「民衆」からアプロ―チした問題は苦戦する傾向が強いが、今回も満足する結果とはいえなかった。やや難しい印象を与える設問が多かっただけにそのことも得点率にあらわれていた。問1は得点率が伸びやすい空欄補充形式であったが、農書の成立時期に関する比較ができていないと正答を導き出せなかっただけに難問だったといえる。一方で問2の視覚教材から農具について問う問題はパターン化されているだけに得点率も高かった。

第5問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
12 近代、日本の領土とその支配 やや易 8.77 73.1%
明治期における領土問題。昨年は第5問に特定の人物からアプロ―チした問題が出題されていたが、今年度は第6問で出題され2010年以前の形式に戻った。昨今、新聞・マスコミでも話題になることが多い領土問題について受験生に投げかけたかたちになっているといえよう。問2はやや難問であったが、その他は標準的な問題であった。「地図」や「グラフ」に随所にみられ、これまでのセンター形式に倣った形式である。

    得点率が7割を超え、大問6題中最も好成績であった。設問4題ある中で、地図・グラフ・史料問題が3題を占め、多角的視野から歴史を考察させようとした意図が顕著にあらわれていた。しかし、今回のグラフ・史料問題は単純といってもよい「読み取り」問題であっただけに、高い得点率となってあらわれたことが考えられる。本番で緊張感が高じるなかでも冷静沈着に対処できていた様子を伺うことがだきた。

第6問 配点 出題内容・テーマ 難易 平均点 得点率
5   普通 2.76 55.1%
9   やや易 6.56 72.8%
C 9   普通 5.17 57.5%
23 近代、市川房枝(運動家・政治家) 普通 14.48 63.0%
「市川房枝」が生きた時代から女性史を想像させるような問題ではなかろうかと予測したが、個々の小問は政治・経済・外交・文化とオーソドックスなものであった。多くの受験生が苦手とする戦時下の国民生活や1970年代までの歴史が出題されていただけに、ここを乗り切る事が高得点確保のために非常に大切になってくるだろう。昨年は1990年代の歴史的事象まで出題されたが、今年度は1970年代までにとどまった。

    昭和戦前・戦時経済や戦後史といった受験生の苦手とする分野が大きなウェートを占めていたこともあってか、やや得点率は伸び悩んだ。もっとも苦戦したのが問2であった。政権与党の「政党名」からその事績を判断させる問題は柔軟な思考力を要する。また、問5の「女子挺身隊」といった戦時中の組織についての知識も不十分だった。リード文を読むときには常に細心の注意を払うことが大切であることを再認識したのではないだろうか。

編集・著作:ジェイシー教育研究所


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